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微生物学:リーシュマニア原虫の遺伝子交換はIgM自然抗体によって仲介される
Nature 623, 7985 doi: 10.1038/s41586-023-06655-8
リーシュマニア原虫(Leishmania)の遺伝子交換を仲介する宿主因子はよく分かっていない。今回我々は、IgM自然抗体(IgMn)が、球状の寄生虫凝集塊を一過的に形成させて、寄生虫の融合と雑種形成を促進することで、寄生虫の遺伝子交換を仲介することを実証する。我々は、リーシュマニア原虫に感染していない動物由来のIgMnが、寄生虫であるリーシュマニア原虫の表面に結合して、この寄生虫の転写産物とタンパク質の発現に大きな変化を誘導することを明らかにする。IgMnへのリーシュマニア原虫の結合はグリコシダーゼ処理後に部分的に失われるが、リポホスホグリカンなど、寄生虫表面のホスホグリカンは、IgMnが誘導する寄生虫凝集には必要ではない。注目すべきことに、寄生虫凝集塊の一過的な形成は、in vitroでのリーシュマニア原虫の雑種形成に不可欠である。in vivoでは、2回目の吸血の際にIgMnを含む血液を与えたサシチョウバエでは、対照と比べて、リーシュマニア原虫の雑種形成が12倍増加することが観察された。さらに、IgMnを含む血液を与えられたサシチョウバエでのみ、交配雑種と親系統から組換え子孫が生じることが観察された。in vitroおよびin vivoの両方で、IgMが誘導するリーシュマニア原虫交配では、両方の親の寄与が同等であるパターンを示す完全なゲノム雑種を生じた。リーシュマニア原虫が、媒介昆虫内で交配を促進するために宿主の自然抗体を利用することは、寄生虫–宿主–媒介生物の相互依存性の新しいパラダイムを確立していて、これは遺伝子交換の促進により寄生虫の多様性と適応度に寄与している。

