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神経科学:コリン作動性ニューロンが上皮にCa2+電流を起こして腸を治す

Nature 623, 7985 doi: 10.1038/s41586-023-06627-y

再生生物学における基本的で未解決の問題の1つは、組織が損傷後どのようにして恒常性を回復するかというものである。この疑問に答えることは、炎症性腸疾患やがんのような慢性的障害の病因を理解するのに重要である。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)中腸を用いてこの問題に取り組み、組織再生の際にコリン作動性ニューロンの一部集団が、腸上皮細胞である腸細胞にCa2+電流を起こして、恒常性回復を促すことを見いだした。保存されているコリン作動性酵素であるアセチルコリンエステラーゼを腸上皮細胞で下方制御すると、Egr(哺乳類のTNFと相同)を感知する特定のコリン作動性ニューロンからアセチルコリンが放出されて、神経支配を受ける腸細胞のニコチン性受容体を活性化できるようになることが示された。この活性化が高Ca2+状態を生起して、イネキシン2–イネキシン7のギャップ結合を介して広がり、腸細胞成熟とその後の腸細胞の増殖および炎症の軽減を促す。この過程を妨げると、イオン不均衡、Yki(ヒトのYAPと相同)の活性化、細胞死、そして炎症性腸疾患に類似する炎症性サイトカインの上昇を含む慢性損傷が起こる。以上より、この保存されたコリン作動性経路が、上皮のCa2+電流を促進して腸上皮を回復させることが分かった。今回の知見によって、神経・生物電気依存的な腸管再生が実証され、組織が損傷後に恒常性を回復する仕組みについての現在の理解が前進した。

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