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化学:結晶性二重酸化カルベン

Nature 623, 7985 doi: 10.1038/s41586-023-06539-x

炭素の化学は、価電子殻に8個の電子を持つ傾向のことを指す、オクテット則に支配されている。しかし実際には、7個の価電子を持つトリチルラジカル(Ph3C∙)、6個の価電子を持つトリチルカルボカチオン(Ph3C+)、形式的に6個の価電子を持ちオクテット則に反する二配位種のカルベン(R2C:)など、少数の例外が存在する。今やカルベンは、化学における強力なツールであるとともに、材料科学や医薬品科学にも応用されている。カルベンから非結合電子を除去することによって、さらに「電子の衣を剥がし取る」ことは可能だろうか。今回我々は、電子リッチなカルベンから、二電子酸化と酸素イオン引き抜きを連続して行うことによって、結晶性二重酸化カルベン(R2C2+)を合成したことを報告する。この二配位炭素中心は、クムレン構造をとり、正電荷が強く非局在化しているにもかかわらず、顕著な求電子性を維持し、利用可能な2つの空軌道を有している。二電子還元と脱プロトン化を連続して行うことによって親カルベンが再生され、これは、二重酸化カルベンという記述と完全に一致する。今回の研究は、かさ高い強電子供与体置換基の使用によって、中心炭素原子の両方の空軌道に電子的安定化と立体保護が同時にもたらされることを実証するとともに、さまざまな二重酸化カルベンの単離への道を開く。

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