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ウイルス学:パンデミック前のデータの学習によりウイルス回避を予測する

Nature 622, 7984 doi: 10.1038/s41586-023-06617-0

パンデミック(世界的大流行)への効果的な備えは、ワクチンや治療法の設計が容易になるよう、宿主の免疫応答を回避できるウイルス変異の予測に依存している。しかし、ウイルスの進化を予測する現在の戦略は、パンデミックの初期には利用できない。なぜなら、実験的手法では、宿主のポリクローナル抗体をウイルスに対して検討する必要があり、また、既存の計算方法は、懸念される変異株について信頼できる予測を行う上で、現在の株の流行状況に大きく依存しているからである。今回我々は、この問題に取り組むために、古くから報告されているアミノ酸配列の深層学習モデルから得られた適応度予測と、生物物理学的および構造的な情報を組み合わせる、一般化可能なモジュール式のフレームワークであるEVEscapeを開発した。EVEscapeは、ウイルス変異による回避可能性を大規模に定量化しており、監視のための塩基配列解読、実験的な変異スキャン、または抗体複合体の三次元構造が利用可能になる前に使用できるという利点がある。2020年以前に利用可能であったアミノ酸配列で訓練したEVEscapeは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のパンデミック変異予測において、ハイスループットの実験的な変異スキャンと同等の精度であり、また、インフルエンザウイルスやヒト免疫不全ウイルス(HIV)に加え、ラッサやニパなどのパンデミックの可能性がある未研究のウイルスを含む、他のウイルスにも一般化可能であることが実証された。我々は、現在の全SARS-CoV-2株について、継続的に見直される回避スコアを提供し、また、ワクチン開発を継続するためのツールとして、新たに出現する株に備えるために、さらに生じるであろう変異を予測している(evescape.org)。

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