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細胞生物学:軟骨細胞の低酸素順応でヘモグロビン小体が担う追加の赤血球としての役割
Nature 622, 7984 doi: 10.1038/s41586-023-06611-6
ヘモグロビンは赤血球中にある酸素運搬体として知られており、酸素を長距離輸送するが、赤血球外部で果たす生理的役割はほとんど解明されていない。今回我々は、軟骨細胞が大量のヘモグロビンを産生し、その細胞質中にエオシン陽性のヘモグロビン小体(Hedy)を形成することを明らかにした。Hedyは相分離を特徴とし、膜を持たない凝縮物である。軟骨細胞でのヘモグロビン産生は低酸素によって制御されていて、HIF1/2α経路ではなく、KLF1に依存している。軟骨細胞でヘモグロビンを欠失させるとHedyが消失するとともに、重度の低酸素状態、解糖の亢進、軟骨組織中心部での大量の細胞死が起こるが、その原因は低酸素条件下でHedyが制御する酸素供給が失われることだと考えられる。これらの結果は、軟骨細胞中のヘモグロビンに追加の赤血球としての役割があることを明確に示しており、軟骨細胞がHedyを介して低酸素環境でも生き残るという、これまで知られていなかった機構が明らかになった。

