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惑星科学:火星のコア上部に存在する溶融したケイ酸塩に富む層の地球物理学的な証拠
Nature 622, 7984 doi: 10.1038/s41586-023-06601-8
火星の深部で反射したS波の検出によって、コアの大きさは1830 ± 40 kmであると推定されており、これには、実験的な岩石学的制約とは矛盾する軽元素の成分が必要である。この推定は、組成的に均質な火星のマントルを仮定しており、コアとマントルの境界に沿って回折した、異常にゆっくりと伝播するP波の最近の測定結果と食い違っている。代替仮説には、初期のマグマオーシャンが凝固して、鉄と熱源元素に富んだ基底層を形成した結果、火星のマントルが不均質であるというものがある。このような濃集の結果、コアの上に溶融したケイ酸塩の層が形成され、部分的に溶融した層に覆われることになる。本論文では、この構造が全ての地球物理学的データ、とりわけ(1)深部で反射および回折したマントルの地震波の位相、(2)地震波周波数での弱い剪断減衰、(3)フォボスの潮汐による火星の散逸的特性、と矛盾しないことを示す。このシナリオでのコアのサイズは1650 ± 20 kmで、密度はこれまでの地震学的な推定値より5~8%大きい6.5 g cm−3であることを示唆しており、これまで必要とされていたものよりも少数で少量の合金化軽元素によって、実験的制約や宇宙化学的制約に矛盾しない量で説明できる。また、層状のマントル構造には、火星の地殻に記録された磁気特性を生成する外因が必要である。

