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惑星科学:火星コアの上にある液体ケイ酸塩層の証拠
Nature 622, 7984 doi: 10.1038/s41586-023-06586-4
インサイトミッション中に記録された地震データから、火星の液体コアが純粋な液体鉄よりも約27%軽くなければならない可能性が示唆されている。これは、軽元素によってかなりの部分が補完されていることを意味する。しかし、地震学的な制約とバルクの地球物理学的な制約に基づくコア組成に必要な水素、炭素、硫黄といった揮発性元素の量は、火星の考えられる構成要素において宇宙化学的に利用可能なそれらの量よりも多くなければならない。今回我々は、液体鉄に富む合金の熱弾性特性に関する第一原理計算結果とともに、火星の成層構造をなすコア–マントル境界領域に沿った多重回折P波を説明するには、より小さく高密度の液体コアを覆う完全に溶融したケイ酸塩層が存在しなければならないことを示す。コア–マントル境界の状態に特に敏感な実体波差分走時データの逆解析からは、これまでのモデルに対してコアの半径が1675 ± 30 kmに減少し、これに伴い密度は6.65 ± 0.1 g cm−3に増加するとともに、溶融ケイ酸塩層の厚さが150 ± 15 km、密度が4.05 ± 0.05 g cm−3になることが示唆される。今回推定されたコアの性質は、バルクの地球物理学的な要求および宇宙化学的な要求と調和的であり、85~91 wt%の鉄・ニッケルと9~15 wt%の軽元素、主に硫黄、炭素、酸素、水素を含むコアであるとして矛盾しない。コアの上にある溶融ケイ酸塩層の化学的特性は、火星の火成活動の生成物から明らかになる可能性がある。

