Article

細胞生物学:アポトーシスのストレスは老化の間にmtDNA放出を引き起こしてSASPを推し進める

Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06621-4

老化細胞は組織の加齢に関連する機能不全を進めるが、その一部は慢性的なSASP(細胞老化関連分泌形質)の誘導によるものである。ミトコンドリアはSASPの主な調節因子だが、その基盤となる機構はまだ解明されていない。ミトコンドリアは、細胞老化とは異なる細胞運命であるアポトーシスには必須であることが多い。アポトーシスの際には、よく知られているミトコンドリア外膜透過性(MOMP)の変化が細胞死を引き起こす。今回我々は、一部のミトコンドリアで生じるMOMPが細胞老化の特徴であることを明らかにする。マイノリティーMOMP(miMOMP)と呼ばれるこの過程は、BAXとBAKによるマクロポア形成が必要であり、これがミトコンドリアDNA(mtDNA)の細胞質ゾルへの放出を可能にする。次いで、細胞質ゾルに入ったmtDNAは、SASPの主要な調節因子であるcGAS–STING経路を活性化する。我々は、in vivoでのMOMP阻害は炎症性マーカーを減少させ、老齢マウスで健康寿命を改善することを見いだした。我々の結果は、アポトーシスと老化がミトコンドリア依存性の類似した機構によって調節されていること、また、致死状態下のミトコンドリアのアポトーシスストレスがSASPの主要な駆動因子であることを明らかにしている。我々はまた、miMOMPによって誘導される炎症の阻害が、健康寿命を改善するための治療経路になる可能性の概念実証結果も提示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度