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ウイルス学:エボラウイルスのポリメラーゼによるde novo複製の分子機構
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06608-1
エボラウイルス(EBOV)、狂犬病ウイルス、ヒトRS(respiratory syncytial)ウイルス、ニューモウイルスなどの非分節マイナス鎖RNAウイルスは、ヒトや動物で呼吸器感染、出血熱、脳炎を引き起こす可能性があり、世界中で健康や経済にかなりの負担をもたらすと見なされている。ウイルスゲノムの複製と転写は、L(large)ポリメラーゼによって行われ、この酵素は抗ウイルス薬開発の標的として有望である。今回我々は、EBOVのLポリメラーゼを代表例として用い、Lポリメラーゼのde novo複製が、EBOVゲノムの特異的な3′リーダー配列によって制御されることを酵素アッセイによって明らかにし、また、この特異的なRNA配列とは無関係に、少なくとも3塩基対の形成によってRNA合成の伸長過程が効率よく促進できることを明らかにした。我々は、EBOV L–VP35–RNA複合体の高分解能構造を提示し、3′リーダーRNAは安定した独特な屈曲コンホメーションをとっていて、鋳型鎖の進入チャネル内に結合すること示す。さらに我々は、変異誘発アッセイを用いて、このRNAの屈曲コンホメーションがde novo複製活性に必要であることを確認し、RNAコンホメーションを安定化させるLポリメラーゼの重要な残基を明らかにした。これらの知見によって、非分節マイナス鎖RNAウイルスのポリメラーゼによるRNA合成機序についての新たな理解が得られ、抗ウイルス薬開発の重要な標的が明らかになった。

