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化学:ポルチミンの合成によって明らかになった抗がん活性の基盤
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06535-1
海洋由来の環状イミン毒であるポルチミンAとポルチミンBは、その化学構造と著しい抗がん治療の可能性ゆえに、注目を集めてきた。しかし、こうした毒素の大量入手は今のところ実現不可能であり、その強力な活性の基礎となる分子機構は、これまでよく分かっていなかった。今回我々は、これに対処するため、スケーラブルかつ簡便なポルチミン合成を提示する。この合成には、環鎖互変異性化や、自己保護を通して保護基化学を最小限化する骨格再構成などの方策と共に、2段階のテルペノイド合成に用いられる論理が役立っている。注目すべきことに、この全合成によって、ポルチミンBの構造再帰属とポルチミンAの詳細な機能評価が可能になり、ヒトがん細胞株において高い効力でアポトーシスを選択的に誘導し、腫瘍クリアランスモデルにおいてin vivoで有効であることが明らかになった。さらに、ポルチミンとその類似体が実際に合成できることによって、光親和性類似体の開発が単純化され、この光親和性類似体を化学プロテオミクス実験に用いて、ポルチミンAの一次標的が60Sリボソーム核外輸送タンパク質NMD3であると特定された。

