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エネルギー科学:並外れた太陽蒸気生成を目的とするフラットバンドλ-Ti3O5
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06509-3
太陽エネルギーによる界面水蒸気蒸発は、環境に優しい性質を持つため、海水淡水化や廃水浄化のための有望な戦略となっている。太陽蒸気生成を改良するために、これまでの大半の取り組みは、太陽スペクトル全体にわたって効果的に太陽エネルギーを収穫することに重点を置いていた。しかし、光熱材料の太陽光吸収を増大させる際の、結合状態密度の調整の重要性は、それほど強調されていない。今回我々は、フラットバンド電子構造を導入することによって結合状態密度を大幅に増大させる方法を提案する。我々の研究によって、金属λ-Ti3O5粉末が、フェルミ準位付近のTi–Ti二量体誘起フラットバンドに起因して96.4%という高い太陽光吸収率を示すことが明らかになった。この粉末を、円錐空洞を有する三次元多孔質ヒドロゲル系蒸発器に組み込むことによって、3.5重量%の塩水の場合に、1 sun照射下で塩の析出なしに、約6.09 kg m−2 h−1というかつてなく高い蒸発速度が達成された。基本的に、λ-Ti3O5表面に露出したTi–Ti二量体とU字形溝構造が、吸着した水分子の解離を促進し、小クラスター形態での界面水蒸発に役立つ。今回の研究によって、太陽光吸収の増大におけるTi–Ti二量体誘起フラットバンドの重要な役割と、水の解離の促進における特異なU字形の溝の重要な役割が浮き彫りになり、費用対効果の高い太陽蒸気生成の実現に関する知見が得られた。

