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原子核物理学:原子核時計異性体45Scの共鳴X線励起
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06491-w
安定した周波数と大きなQ値を持つ共振発振器は、高精度の計時に役立つ。その例は、腕時計の水晶発振器から原子時計の原子発振器まで多岐にわたり、原子時計は現在、最も正確な時間測定装置である。より安定で使いやすい基準発振器の探求は今も続いている。原子核発振器は、原子発振器より本来的にQ値が高く、外部摂動に対する耐性が高いので、より望ましい。最も有望な例の1つが、45Scにおける基底状態と12.4 keVの異性体状態の間の極めて狭い核共鳴遷移であり、その寿命は0.47秒と長い。45Scの科学的可能性はずっと以前から分かっていたが、その適用には45Scの共鳴励起が必要であり、それにはさらに加速器によって駆動される高輝度X線源が必要となるが、これが利用可能になったのはつい最近のことである。今回我々は、最新のX線自由電子レーザーから得られた12.4 keVの光子パルスをSc金属箔に照射することによって、45Sc異性体状態の共鳴X線励起を生じさせ、次いで核崩壊生成物を検出したことを報告する。同時に、遷移エネルギーが、これまで知られている値よりも不確かさが2桁小さい、1万2389.59±0.15(stat)+0.12(syst) eV(statは統計誤差、systは系統誤差を示す)と決定された。こうした前進によって、極限計測技術、原子核時計技術、超高精密分光法など、類似用途へのこの異性体の応用が可能になる。

