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環境科学:全世界の鉄鋼工場のCO2排出量とカーボンニュートラルの道筋
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06486-7
エネルギーを大量消費する鉄鋼業は、2019年の全世界の産業CO2排出量の約25%を占めているため、気候変動の緩和に極めて重要である。国家レベルや世界レベルで脱炭素化の可能性について議論がなされているにもかかわらず、世界の鉄鋼業部門のネットゼロ移行への前進を累積的に決める、個別の工場での削減の可能性と技術的に導かれる道筋は依然として明らかではない。今回我々は、4883の個別の鉄鋼工場におけるCO2排出量と、それらの加工経路や稼働の詳細(状態、総年数、稼働年数など)を含むその技術的特徴のインベントリーを作成した。我々は、特定の加工経路に適した排出削減技術か排出ゼロ技術を特定して合うものを見つけ、その後これを、全ての工場に対して特定の技術による脱炭素化ロードマップとして定義した。その結果、世界の工場の57%は稼働年数が8〜24年であり、低炭素技術のための改修時期であることが分かった。工場の稼働特性に従った低炭素技術への改修は、温暖化を2°Cに抑えるためのカギであるが、その一方で先進的な改修は温暖化を1.5°Cに抑えるのに役立つ可能性がある。各工場の改修が、予定された改修計画よりも5年早まるならば、世界の2020〜2050年の累積的なCO2排出削減量は69.6(±52%)ギガトンとなる可能性があり、これは2021年の世界のCO2排出量のほぼ2倍に相当する。今回の結果は、鉄鋼工場の生産過程に関連したCO2排出パターンの詳細な描像を提供しており、各工場の努力による実質排出ゼロ目標への脱炭素化の道筋を例示している。

