遺伝学:英国バイオバンクにおける血漿プロテオームと遺伝的性質および健康との関連
Nature 622, 7982 doi: 10.1038/s41586-023-06592-6
英国バイオバンクのファーマ・プロテオミクス・プロジェクトは、5万4219人の参加者の血漿プロテオームのプロファイルを明らかにする、基礎研究段階のバイオ製薬会社コンソーシアムである。今回我々は、このイニシアチブの詳細な概要、例えば、技術的および生物学的な検証、プロテオーム疾患のシグネチャーについての手掛かり、さまざまな人口統計学的指標や健康指標の予測モデル化などを報告する。我々は、2923のタンパク質についての包括的なタンパク質量的形質座位(pQTL)マッピングを行い、1万4287の主要な遺伝的関連(このうちの81%がこれまでに報告されていなかった)を特定し、同時に非ヨーロッパ系の人において祖先系特異的なpQTLマッピングも行った。この研究は、血漿プロテオームの遺伝的構造についての最新の特徴付けを示しており、サンプルサイズやプロテオーム解析のカバー率が時間とともに増加するにつれて、pQTL発見率は予測どおり増加した。我々は、複数の生物学的領域におけるトランスpQTLについての広範な手掛かりを示し、多様なサイトカインや補体ネットワーク全体に対するリガンド–受容体の相互作用や経路の摂動に及ぼす遺伝的影響を明らかにし、ABO式血液型やFUT2分泌型状態が消化管組織に豊富に発現するタンパク質に及ぼす長距離エピスタシス効果を説明する。また、PCSK9などのタンパク質標的の代理の遺伝的効果をさらなる評価項目に拡大することで、創薬におけるこれらのデータの有用性を実証し、さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感受性に関連する座位で摂動されている特定の遺伝子やタンパク質を解明した。この官民パートナーシップは、かなりの幅と深度を持つオープンアクセスのプロテオミクス情報資源を科学コミュニティーに提供し、これはプロテオゲノミクスの発見の基礎となる生物学的機構の解明や、バイオマーカー、予測モデル、治療法の開発の加速に役立つ。

