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生化学:三量体であるSchlafenドメインヌクレアーゼによるpiRNAのプロセシング

Nature 622, 7982 doi: 10.1038/s41586-023-06588-2

転位性遺伝因子はゲノムへの寄生体で、ゲノム内部で増殖したり、ゲノム間で広まったりする。PIWIタンパク質はトランスポゾンの活性を、特に生殖細胞系列で制御する。PIWIタンパク質はPIWI結合RNA(piRNA)と呼ばれる小型のRNA補因子を介して標的を認識するので、piRNAの生合成は、この重要なゲノム免疫系にとって特異性決定の非常に重要な段階である。piRNA前駆体のプロセシングはこの過程に不可欠な段階だが、その分子レベルでの詳細はほとんどが不明である。今回我々は、線虫の一種であるCaenorhabditis elegansでのpiRNAプロセシングを開始する、エンドリボヌクレアーゼPUCH(precursor of 21U RNA 5′-end cleavage holoenzyme)を明らかにする。遺伝学的および生化学的研究によって、PUCHはSLFLタンパク質(Schlafen-like-domain protein)の三量体で、piRNA前駆体の5′末端の切断を行うことが示された。PUCHを介したプロセシングには、7-メチル-Gキャップ(m7G-cap)と3位のウラシルが必須である。また、piRNA前駆体に結合する複合体PETISCOとPUCHが相互作用する仕組みも明らかになり、この相互作用がin vivoでのpiRNA産生を増大させることも実証された。PUCHが見つかったことで、C. elegansでのpiRNAの5′末端を形成する因子の探索に決着がつき、SLFLタンパク質3個で構成されるタイプのRNAエンドヌクレアーゼが明らかになった。哺乳類のSchlafen(SLFN)遺伝子は免疫と関連付けられており、転位性遺伝因子を制御するためのRNAに基づく非常によく保存された機構と哺乳類の免疫応答との間に分子レベルのつながりがあることが明らかになった。

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