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気候科学:深層学習によって明らかになった日降水量の人為起源の特徴

Nature 622, 7982 doi: 10.1038/s41586-023-06474-x

21世紀の気候モデル予測によると、地球温暖化によって、降水量の変動と極端な降水が世界中で激化するとされている。しかし、地域スケールの降水量の自然変動が大きいため、観測によるこの予測の検証は、まだ大きな課題である。今回我々は、深層学習によって、観測記録期間中の日降水量場からの新たな気候変動シグナルの検知に成功したことを示す。我々は、日降水量場と、現在と未来の気候モデルシミュレーションのアンサンブルから得られた全球の年平均地表気温データを用いて、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練した。このアルゴリズムを観測記録に適用すると、日降水量データは2010年代半ば以降に自然変動からの明確なずれを示し、これが、観測されている地球温暖化の優れた予測因子となっていたことが見いだされた。さらに我々は、説明可能な枠組みによって深層学習モデルを分析し、熱帯東太平洋と中緯度域のストームトラック域では、気象の時間スケール(10日未満の期間)の降水量変動が人為起源の温暖化に最も敏感だったことも見いだした。今回の結果は、年平均降水量の長期的な変化と背景の自然変動の識別はまだできていないが、日々の水文学的変動に地球温暖化の影響が既に表れていることを浮き彫りにしている。

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