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分子生物学:アセチルメチルリシンは活性な転写開始部位でのクロマチンの標識となる
Nature 622, 7981 doi: 10.1038/s41586-023-06565-9
ヒストンをはじめとするタンパク質中のリシン残基は翻訳後の修飾が可能で、この修飾は調節に関する情報を符号化している。リシンのアセチル化とメチル化は、クロマチンと遺伝子発現の調節に特に重要である。これらの翻訳後修飾に関わる経路は、ヒト疾患のために臨床使用が認められた治療法の標的となっている。リシンのメチル化とアセチル化は、同じ残基上で同時に起こることはないと一般に考えられている。今回我々は、同一側鎖が同時にメチル化とアセチル化されてNε-アセチル-Nε-メチルリシン(Kacme)となったリシン残基が細胞内に存在することを明らかにした。Kacmeはさまざまな生物種にわたって、またさまざまな哺乳類組織でヒストンH4上で見つかることが分かった。Kacmeは、活性なクロマチンおよび転写開始増加の標識と結び付けられ、生物学的シグナルに応答して調節される。in vitroでは、H4のKacmeはモノメチルリシンを含むペプチドの酵素によるアセチル化によって導入可能で、一部のHDACによる脱アセチル化に抵抗性を示す。Kacmeには、修飾されたリシン残基を認識するクロマチンタンパク質が結合可能で、これはヒストンH4Kacmeペプチドに結合したアセチルリシン結合タンパク質BRD2の結晶構造によって実証された。これらの結果から、Kacmeは細胞の翻訳後修飾の1つで単独のメチル化やアセチル化とは別の情報を符号化している可能性があることが確証され、Kacmeがクロマチンの生物学的特性に非常に重要な翻訳後修飾としての特徴を全て備えていることが明らかになった。

