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物性物理学:分数量子化異常ホール効果の観測

Nature 622, 7981 doi: 10.1038/s41586-023-06536-0

整数量子異常ホール(QAH)効果は、ゼロ磁場における量子ホール効果の格子版である。この現象は、トポロジカルに非自明なバンドや自発的時間反転対称性の破れを伴う系に生じる。強い電子相関の存在下でこの分数版、すなわち分数QAH効果が発見されれば、物性物理学に新たな時代が開かれる可能性がある。今回我々は、ツイスト2層MoTe2の電気的測定において、整数QAH効果と分数QAH効果の両方を直接観測したことを報告する。ゼロ磁場において、充填率ν = −1(モアレ単位格子当たり正孔1個)の近傍で、h/e2 ± 0.1%に量子化されたホール抵抗Rxyに整数QAHプラトーが観測された一方、横抵抗Rxxは消失していた。注目すべきは、Rxyにおけるプラトーの特徴が、ν = −2/3において 3 2 h/e2 ± 1%に、ν = −3/5において 5 3 h/e2 ± 3 %に観測される一方、Rxxは小さいままであることである。全ての特徴は印可磁場に対して線形にシフトしており、傾きは、整数QAH状態および分数QAH状態について予想通り正確に、対応するチャーン数−1、−2/3、−3/5に一致していた。さらに、ゼロ磁場において、Rxyは半充填(ν = −1/2)近傍で約2h/e2であり、νを調整すると線形に変化した。この挙動は、高磁場下の二次元電子ガスの半充填最低ランダウ準位における複合フェルミ液体の挙動に似ている。分数QAH効果と関連効果の直接観測によって、ゼロ磁場における電荷分数化やエニオン統計の研究が可能になる。

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