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原子物理学:水素様スズを用いたQEDの厳密検証
Nature 622, 7981 doi: 10.1038/s41586-023-06453-2
内殻電子は、原子核近傍の電場を必然的に感知しており、最内殻電子では、この電場は1015 V cm−1を超える極端な値に達し得る。特に電子のほとんどない高電荷イオンでは、電磁場との相互作用は量子電磁力学(QED)の範囲内で正確に計算できるので、こうしたイオンは強電磁場におけるQEDの妥当性を検証するのに適した候補となる。その結果、そうしたイオンのラムシフトが、過去数十年にわたって精力的に研究されてきた。別の手法として、高電荷イオンにおける磁気回転因子(g因子)の測定がある。しかしこれまでのところ、低Zイオンでは、実験の精度あるいは小さな電場強度のいずれかによって、こうしたQED検証の厳密性が制限されていた。今回我々は、水素様118Sn49+におけるQEDの強電場での高精度の検証について報告する。ハイデルベルク電子ビームイオントラップ(EBIT)を用いて生成された高電荷イオンが、ALPHATRAPペニングトラップ装置に注入され、この装置内で束縛電子のg因子が0.5 ppbの精度で測定された。我々は、比較のために最新の理論計算を提示し、これらと測定の結果によって根底にあるQEDを約0.012%まで検証することで、強場領域における厳密な検証を得た。我々は、この測定によって、ラムシフトを用いた最良の検証に挑戦し、g因子の理論において期待されていた進展をもたらすとともに、そうした検証を1桁以上上回っている。

