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物性物理学:モアレMoTe2における分数チャーン絶縁体の熱力学的証拠

Nature 622, 7981 doi: 10.1038/s41586-023-06452-3

量子ホール状態の格子版であるチャーン絶縁体は、ゼロ磁場で高温トポロジカル秩序を示し得ることから、次世代トポロジカル量子デバイスを実現できる可能性がある。これまで、ゼロ磁場でいくつかの系において整数チャーン絶縁体が実験的に実証されている一方、分数チャーン絶縁体は、有限磁場下でのグラフェンを用いた系でしか報告されていない。調整可能なトポロジカルフラットバンドを保持する半導体モアレ物質の出現によって、分数チャーン絶縁体を実現する機会が得られている。今回我々は、局所的電子圧縮率測定と磁気光学測定を組み合わせることによって、小角ツイスト2層MoTe2においてゼロ磁場で整数チャーン絶縁体と分数チャーン絶縁体の両方の熱力学的証拠を得たことを報告する。正孔充填率ν = 1および2/3のとき、系は非圧縮性であり、時間反転対称性を自発的に破る。我々は、磁場印加に伴う各充填率における状態の分散から、これらがそれぞれ整数チャーン絶縁体と分数チャーン絶縁体であることを示す。さらに、電場によって調整されたトポロジカル相転移がチャーン絶縁体を伴うことを実証する。今回の知見によって、半導体モアレ物質における量子化分数ホール伝導、エニオン励起、エニオンブレイディングの実証への道が開かれる。

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