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がん免疫療法:好中球上のCD300ldが腫瘍による免疫抑制に必要である
Nature 621, 7980 doi: 10.1038/s41586-023-06511-9
免疫抑制性の腫瘍微小環境は、免疫療法の有効性の大きな障害となる。多形核骨髄由来免疫抑制細胞(PMN-MDSC)とも呼ばれる病理学的に活性化された好中球は、腫瘍微小環境の重要な構成要素であり、腫瘍のプログレッションや治療抵抗性に重要な役割を担っている。PMN-MDSC上の重要な分子を特定することは、腫瘍治療のためにこれらの細胞を選択的に標的とするのに必要である。今回我々は、腫瘍マウスモデルにおいてin vivoのCRISPR–Cas9スクリーニングを行い、腫瘍に有利に働く受容体の最有力候補としてCD300ldを特定した。CD300ldは正常な好中球に特異的に発現していて、担がんによりPMN-MDSCで発現上昇する。CD300ldをノックアウトすると、PMN-MDSC依存的に複数のタイプの腫瘍の増殖が阻害された。CD300ldは、PMN-MDSCの腫瘍内への動員と、T細胞の活性化を抑制するPMN-MDSCの機能に必要である。CD300ldはSTAT3-S100A8/A9軸を介して作用し、Cd300ldのノックアウトにより腫瘍の免疫抑制性微小環境が逆転する。CD300ldはヒトのがんで発現上昇しており、患者の生存と負の相関関係を示す。CD300ld活性の抑制は、腫瘍の増殖を阻害し、抗PD1と相乗効果を示した。我々の研究は、CD300ldがPMN-MDSC上に存在する重要な免疫抑制因子であり、腫瘍の免疫抵抗性に必要で、がん免疫療法の有望な標的であることを明らかにしている。

