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神経科学:コウモリの空間的集団行動の際の海馬神経表現
Nature 621, 7980 doi: 10.1038/s41586-023-06478-7
社会性動物は、複数の他個体の存在、動き、感覚の手掛かりによって形作られる空間の中で、生活・移動している。海馬の神経活動が空間内の行動を反映していることは知られているが、このような動的な集団状況は自然環境内では至る所に見られるものの、その研究は不足している。今回我々は、空間的集団行動を実行中のコウモリの集団で海馬の活動を調べた。その結果、自発的な条件下で、ロバストな集団レベルの空間構造が出現し、その構造の中で行動は特定の位置、運動パターン、個々の社会的選好に固定されていることが分かった。静止中と飛翔中のコウモリからの無線電気生理学的記録により、多くの海馬ニューロンが、集団動態の重要な特徴に同調していることも分かった。それらの特徴には、着地場所における同種個体の存否(通常、単なる物体の存否は含まれない)、共有される空間的位置、個体のアイデンティティー、集団内で発信される感覚信号などが含まれる。さらに、無線カルシウム画像化により、社会的応答が集合活動レベルで解剖学的に振り分けられ、ロバストに神経表現されていることも分かった。今回の知見をまとめると、海馬神経活動は動物集団に自然に発生する空間的行動の豊富な表現を含んでおり、それがまた、集団行動の複雑な巧技を支えている可能性があることが明らかになった。

