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気候科学:気候温暖化はカリフォルニア州における極端な日ごとの山火事延焼リスクを増大させる

Nature 621, 7980 doi: 10.1038/s41586-023-06444-3

近年、米国カリフォルニア州では、山火事の極端な振る舞いが増えており、人命と財産にかなりの損失が生じている。山火事の振る舞いの変化の一部は、人為起源の気候温暖化に起因しているが、交絡因子が極めて多く、山火事の規模が全球気候モデルの格子スケールより小さいため、この寄与の形式的な定量化は困難である。今回我々は、機械学習を用いて、カリフォルニア州における温度(ならびに温度が乾燥度に及ぼす影響)と極端な日ごとの山火事延焼(1万エーカーを超える)のリスクの間の経験的関連性を定量化し、このリスクに対する温度の影響は、主に可燃物の水分に対する影響を介してもたらされることを見いだした。我々は、明らかになった関連性を用いて、2003〜2020年に発生した過去の山火事に、異なる気候学的な背景温度と乾燥条件を適用し、人為起源の温暖化の下での極端な日ごとの山火事延焼のリスクの変化を見積もった。その結果、人為起源の温暖化が極端な日ごとの山火事延焼のリスクに及ぼす影響は、気候温暖化によって諸条件が、1.5 kPaの蒸気圧の不足や10%の枯渇可燃物水分など、乾燥に対する特定のしきい値を超えるかどうかに応じて、山火事ごとに、また日ごとに大きく変化することが見いだされた。これまでのところ、人為起源の温暖化によって、極端な日ごとの山火事延焼の予想頻度の総計が、産業革命以前の条件と比べて、平均25%(5~95%の信頼区間で14~36%)高まっている。しかし、一部の山火事ではほとんど変化がなく、また他の山火事では461%も高まったものもあった。予想される今世紀末の条件の範囲に過去の山火事を適用すると、極端な日ごとの山火事延焼の予想頻度の総計は、産業革命以前の条件と比べて、低排出量のSSP1–2.6シナリオでは59%(5~95%の信頼区間で47~71%)増加するのに対し、極めて高い排出量のSSP5–8.5シナリオでは172%(5~95%の信頼区間で156~188%)増加する。

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