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健康科学:低・中所得国における幼児期の直線的な成長遅滞

Nature 621, 7979 doi: 10.1038/s41586-023-06418-5

発育阻害(身長が国際的な成長基準の2標準偏差未満)の5歳未満の小児は、世界中で1億4900万人いると推定されている。直線的な成長遅滞(growth faltering)の一形態である発育阻害は、疾患、認知発達障害、死亡のリスクを高める。発育阻害の世界規模での推定は、横断調査に依存しているが、横断調査では、予防的介入を行う臨界期を決定する上で重要な検討事項である、成長遅滞が始まる時期や持続性についての直接的な情報は得られない。今回我々は、低・中所得国での縦断研究(コホート数n = 32、小児5万2640人、0〜24カ月齢)のプール解析を行い、これによって直線的な成長遅滞の典型的な発症月齢を特定して、若年期に頻発する成長遅滞を調べることができるようになった。発育阻害の発症が始まるのが最も多い時期は、出生から生後3カ月であり、南アジアでは出生時の発育阻害が著しく高かった。0〜15カ月齢では発育阻害から回復することはまれである上、発育阻害状態から回復した小児では再発が多く見られ、発育阻害状態で誕生した小児での再発率はかなり高かった。発育阻害は早期に発症することと回復率が低いことから、小児の直線的な成長を改善するには、出産可能年齢の女性に対する生涯にわたる介入と、生後6カ月未満の小児に対する介入をより重視する必要があることが示唆される。

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