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物性物理学:高圧下のニッケル酸塩に80 K近傍で見られた超伝導の兆候

Nature 621, 7979 doi: 10.1038/s41586-023-06408-7

銅酸化物における高転移温度(high-Tc)超伝導は30年以上前から知られているが、その根底にある機構はまだ分かっていない。銅酸化物は、Tcが液体窒素の沸点である77 K以上でバルク超伝導を示す、唯一の非従来型超伝導体である。今回我々は、高圧抵抗測定と相互誘導磁化率測定によって、14.0〜43.5 GPaの圧力下で、La3Ni2O7の単結晶に80 Kという最高Tcで超伝導の兆候が見られることを観測した。高圧下での超伝導相は、Fmmm空間群の直方晶構造を持ち、Niカチオンの3dx2y2軌道および3dz2軌道と、酸素の2p軌道が強く混合している。密度汎関数理論の計算からは、Ni–O 2層をつなぐ頂点の酸素イオンと3dz2軌道から構成される、フェルミ準位より下でのσ結合バンドが金属化するのと同時に、超伝導が出現することが示された。従って、今回の発見によって、このルドルスデン–ポッパー型2層ペロブスカイトニッケル酸塩におけるhigh-Tc超伝導の重要な手掛かりだけでなく、high-Tc超伝導の機構を調べるためのこれまで知られていなかった化合物群が得られる。

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