Article
環境科学:2000〜2019年に全世界の人々がさらされた景観火災による大気汚染
Nature 621, 7979 doi: 10.1038/s41586-023-06398-6
山火事は、気候変動の結果として激しさと頻度が増加していると考えられている。景観火災による大気汚染は人間の健康に悪影響を及ぼし得るが、景観火災に起因する(LFS)大気汚染への人間の曝露の特性は、全球規模ではまだ十分に評価されていない。今回我々は、機械学習と化学輸送モデルを用いて、2000〜2019年の全球的な日々の屋外LFS微小粒子状物質(LFS PM2.5)濃度と地表オゾン濃度を、0.25° × 0.25°の分解能で見積もった。その結果、2010〜2019年の人口で加重平均した全般的なLFS PM2.5濃度が2.5 μg m−3(PM2.5の全起源排出量の6.1%)で、オゾン濃度が3.2 μg m−3(オゾンの全起源排出量の3.6%)であり、2000〜2009年と比べてPM2.5は少し増えているが、オゾンは変わっていないことが見いだされた。LFS PM2.5濃度とオゾン濃度が最も高かったのは、中央アフリカ、東南アジア、南米、シベリアであった。また、低所得国のLFS PM2.5濃度とオゾン濃度は、高所得国のものより約4倍高かった。2010〜2019年に、21億8000万の人々が毎年少なくとも1日はかなりのLFS大気汚染にさらされており、平均すると世界中の個々人が毎年9.9日さらされていた。これら2つの指標は、2000〜2009年と比べて、それぞれ6.8%と2.1%増加していた。まとめると、我々は、全世界の人々が、社会経済的格差を伴うLFS大気汚染にますますさらされるようになっていることを見いだした。

