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環境科学:河川からの全球のメタン放出量
Nature 621, 7979 doi: 10.1038/s41586-023-06344-6
メタン(CH4)は強力な温室効果ガスであり、その大気中濃度は産業革命以降3倍になっている。地球温暖化によって淡水生態系からのCH4放出量が増加し、全球の気候に正のフィードバックをもたらしていることを示す証拠がある。しかし、河川については、CH4放出の制御や規模についてはまだほとんど分かっていない。今回我々は、流水からのCH4放出量の空間的に明確な全球の見積もりが、年間27.9(16.7~39.7) Tg CH4であり、他の淡水系からの放出量にほぼ相当することを報告する。河川のCH4放出量には、強い温度依存性がなく、その平均活性化エネルギー(EM = 0.14 eV)は湖や湿地の値(EM = 0.96 eV)と比べて低かった。対照的に、全球の放出パターンには、人間が支配的な環境だけでなく、高緯度域と低緯度域でフラックスが大きいという特徴があった。こうしたパターンは、有機物の大きな供給量や水文学的に結び付いた土壌の水飽和を含む、河川生息地やその近傍の嫌気条件に関連する土壌や気候の特徴によって説明される。今回の結果は、流水へのCH4供給を調節するのに陸域と水域の結合が重要であり、人間による直接的な改変だけでなく陸域の気候変動応答の一部に対しても脆弱であることを浮き彫りにしている。

