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微生物学:腸内細菌による炭水化物代謝がインスリン抵抗性に関与する

Nature 621, 7978 doi: 10.1038/s41586-023-06466-x

インスリン抵抗性は、メタボリックシンドロームや2型糖尿病の原因となる主要な病態生理である。これまでのメタゲノム研究から、インスリン抵抗性における腸内細菌相の特徴や、それらの主な栄養素の代謝における役割が報告されている。特に、共生細菌の炭水化物代謝は、宿主の総エネルギー抽出量の最大10%に寄与するとされており、このため、肥満症や前糖尿病の発症機序に役割を担っていると考えられる。それにもかかわらず、この根本機構はいまだ分かっていない。今回我々は、ヒトで包括的なマルチオミクス戦略を用いて、この関係性を調べた。糞便の偏りのないメタボロミクスやメタゲノミクス、宿主のメタボロミクスやトランスクリプトミクスのデータを組み合わせて、インスリン抵抗性におけるマイクロバイオームの関与をプロファイリングした。これらのデータから、糞便の炭水化物、特に宿主が利用可能な単糖類が、インスリン抵抗性のヒトで増加しており、細菌の炭水化物代謝および宿主の炎症性サイトカインに関連していることが明らかになった。また、インスリン抵抗性やインスリン感受性に関連する腸内細菌が特定され、これらの細菌は炭水化物代謝のパターンが異なることが分かり、さらに、インスリン感受性に関連する細菌は、マウスモデルで宿主のインスリン抵抗性表現型を軽減することが実証された。我々の研究は、インスリン抵抗性における宿主–細菌の関係の包括的な見解を提示することで、細菌相による炭水化物代謝の影響を明らかにしたものであり、インスリン抵抗性を軽減するための有望な治療標的を示唆している。

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