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ゲノミクス:43人のヒトY染色体のアセンブリから広範な複雑性と多様性が明らかになる
Nature 621, 7978 doi: 10.1038/s41586-023-06425-6
ヒトY染色体内には高度な反復配列が偏在することで、これまでその完全なアセンブリが妨げられており、これがゲノム解析でY染色体が体系的に除外される原因となっている。今回我々は、43のY染色体のde novoアセンブリと、その18万2900年にわたるヒト進化における系統関係を示し、サイズと構造にかなりの多様性があることを報告する。男性特異的なユークロマチン領域の半分では、大規模な逆位が起きており、他のどの染色体よりも逆位の出現率が2倍以上高かった。これらの逆位に関連するアンプリコン配列から、変異率の差異は塩基配列の状況に依存することが明らかになり、また、アンプリコン遺伝子の一部は、ヒト系統特異的な偽遺伝子の獲得および除去と協調して進化した証拠が見つかった。ヒトゲノムの最大のヘテロクロマチン領域であるYq12は、2種類の交互に並んだ反復配列で構成され、これらの数、サイズ、分布は広範な多様性を示すが、1:1のコピー数比が維持されていた。さらに、我々のデータは、組換えが起こる偽常染色体領域1と組換えが起こらないX染色体およびY染色体の部分の境界が、現在確立されている境界から500 kb離れていることを示唆している。複数個体の完全に塩基配列が解明されたY染色体が利用可能であることは、形質と特定のY染色体バリアントとの新たな関連を特定し、ヒトゲノムの複雑な領域の進化や機能についての手掛かりを得る、またとない機会になる。

