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免疫学:T細胞の組織常在を促す代謝プログラムは腫瘍免疫を強化する

Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06483-w

組織常在性記憶CD8+ T(TRM)細胞は、再感染部位に迅速かつ長期的な保護を与える。TRM細胞の特性を持つ腫瘍浸潤リンパ球は、強化されたエフェクター機能を維持していて免疫療法の奏効を予測し、より良好な予後をもたらす。従って、T細胞の組織常在を可能にする代謝戦略の解明が進めば、組織や固形腫瘍で免疫応答を強化する新しい手法についての情報が得られる可能性がある。今回我々は、TRM細胞の分化、生存、機能を支える代謝再プログラム化の基盤を体系的に明らかにするために、ウイルス特異的記憶CD8+ T細胞集団のin vivo機能ゲノミクス、アンターゲットメタボロミクス、トランスクリプトミクスを利用した。その結果、記憶CD8+ T細胞は組織常在性に対する広範な適応を展開していることが明らかになった。こうした適応には、転写因子SREBP2の活性上昇により駆動されるメバロン酸–コレステロール経路の非ステロイド性産物(補酵素Qなど)への依存が含まれる。この代謝適応は、TRM細胞が食餌中のコレステロールと接して高い活性化状態を維持している小腸で最も顕著であり、マウスとヒトの多様な腫瘍タイプで見られる機能的な腫瘍浸潤リンパ球とも共通していた。Fdft1の欠失、またはPDSS2の過剰発現により補酵素Qを強制的に合成させると、ミトコンドリア呼吸、ウイルス感染後の記憶T細胞形成、抗腫瘍免疫の亢進が促進された。まとめると、TRM細胞代謝の体系的な研究によって、これらのプログラムが、急性感染という状況下での記憶CD8+ T細胞の形成を促すために、また抗腫瘍免疫を強化するために、どのように利用できるかが明らかになった。

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