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腫瘍免疫学:γδ T細胞による検出の引き金となるがん細胞経路のCRISPRスクリーニングによる解明

Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06482-x

γδ T細胞は強力な抗がんエフェクターであり、患者特異的なネオアンチゲンやヒト白血球抗原の状況とは無関係に、腫瘍を幅広く標的にすることができると考えられている。γδ T細胞は、形質転換細胞に広く見られる保存された細胞ストレスシグナルを感知できるが、ストレスを受けた標的細胞を攻撃目標とする仕組みはほとんど解明されていない。ヒトのγδ T細胞で最も数の多いサブセットであるVγ9Vδ2 T細胞は、広く発現されている細胞表面タンパク質で、腫瘍細胞が豊富に産生するリン酸化抗原によって活性化されるブチロフィリン2A1(BTN2A1)とBTN3A1を含むタンパク質複合体を認識する。今回我々は、標的がん細胞での複数回のゲノム規模CRISPRスクリーニングを組み合わせて、γδ T細胞による細胞殺傷とBTN3Aの細胞表面への発現を制御している経路を明らかにした。このようなスクリーニングによって、細胞表面のBTN3A量とγδ T細胞の活性誘発が、転写と翻訳後修飾、また膜トラフィッキングを介して、これまで重視されていなかった多層的調節を受けていることが明らかになった。さらに、がん細胞の代謝経路、特にATP産生過程を破壊するさまざまな遺伝的摂動や阻害剤が、BTN3Aレベルを変化させることが分かった。代謝危機におけるBTN3AとBTN2A1両方のこのような誘導は、AMPK(AMP-activated protein kinase)に依存している。また、細胞株モデルと患者由来の腫瘍オルガノイドにおいてAMPKを小分子で活性化すると、BTN2A1–BTN3A複合体の発現が上昇し、Vγ9Vδ2 T細胞の受容体を介した細胞殺傷が増加した。代謝ストレスが誘発するリガンドの発現上昇のこうしたAMPK依存性機構は、γδ T細胞のストレス監視についての理解を深めるもので、γδ T細胞の抗がん活性を増強するための新たな道を開くだろう。

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