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細胞生物学:ハダカデバネズミのHas2によるヒアルロン酸の増加はマウスの健康寿命を改善する
Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06463-0
豊富に存在する高分子ヒアルロン酸(HMM-HA)はがんへの抵抗性に寄与しており、齧歯類として最も長寿命であるハダカデバネズミの寿命の長さにも関わっている可能性がある。HMM-HAのもたらす利益を他の動物種にも移入できるかどうかを調べるため、今回我々は、ハダカデバネズミのヒアルロン酸シンターゼ2遺伝子(nmrHas2)を過剰に発現するトランスジェニックマウスを作製した。nmrHas2マウスでは、いくつかの組織でヒアルロン酸レベルの上昇が見られ、自然発生や誘発によるがんの発生件数が少なくなり、寿命が延長し、健康寿命が長くなった。nmrHas2マウスのトランスクリプトームの特性は、もっと寿命の長い生物種のものに近付いていた。nmrHas2マウスで観察された最も注目すべき変化は、複数の組織にわたって炎症が軽減していたことである。HMM-HAによる炎症の軽減はいくつかの経路を介しており、その中には免疫細胞に対する直接的な免疫調節効果や酸化的ストレスに対する防御、加齢に伴う腸のバリア機能の改善などが含まれていた。これらの有益な影響はHMM-HAがもたらしたもので、nmrHas2遺伝子に特異的ではなかった。これらの知見は、ハダカデバネズミで進化した長寿をもたらす機構が他の生物種に移入可能であることを示しており、HMM-HAを使って寿命と健康寿命を改善する新たな道を示唆している。

