Article

微生物学:オリゴマー化を介した短鎖型の原核生物アルゴノートの活性化

Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06456-z

真核生物アルゴノートタンパク質と長鎖型の原核生物アルゴノートタンパク質(pAgo)は核酸を切断するが、短鎖型pAgoの一部はヌクレアーゼ活性を持たず、NAD(P)+を加水分解して細菌の細胞死を誘導する。今回我々は、アルゴノート(Ago)タンパク質とその結合タンパク質TIR–APAZから構成される短鎖型pAgoである、SPARTAの階層的活性化経路を示す。SPARTAは、単量体アポ状態、単量体RNA–DNA結合状態、2つの二量体RNA–DNA結合状態、四量体RNA–DNA結合活性状態などの異なるオリゴマー形態を経て変化していく。これらのスナップショットを総合すると、オリゴマー化がSPARTA活性化の機構原理であることが明らかになった。不活性なアポ状態SPARTAのRNA–DNA結合チャネルは、TIR–APAZの自己抑制モチーフによって占有されている。SPARTAは、RNA–DNAが結合すると、単量体から対称な二量体、さらには非対称な二量体へと移行し、そこでは2つのTIRドメインが電荷と形状の相補性を介して相互作用する。次に、2つの二量体が1つの四量体に組み立てられ、その中央のTIRクラスターがNAD(P)+の加水分解を担っている。加えて、DNA 3′末端と自己抑制モチーフ間の競合、RNA G2ヌクレオチドとAgo間の相互作用、短鎖型pAgoのみに見られる2つのループによるRNA–DNA二本鎖の分離など、SPARTAとRNA–DNA間の相互作用の独特な特徴が観察された。まとめると我々の知見は、Agoスーパーファミリーの大きな部分を占める短鎖型pAgoの活性化の機構的基盤を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度