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生態学:温暖化レベルが1.5°Cを超えると沿岸生息地は広範囲で後退する可能性が高い
Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06448-z
いくつかの沿岸生態系(中でも特に、マングローブや潮汐湿地)には、炭素の隔離や無機堆積物の捕捉など、相対的海水準上昇(RSLR)に対する適応を促進している生物起源のフィードバックが認められる。RSLR下における礁上生息地の安定性も同様に、礁由来の堆積物の蓄積および保護的なサンゴ礁の鉛直方向の成長と結び付けられている。急速なRSLR下でのこうした生態系の存続に関しては、議論がある。今回我々は、古層序学的観察結果から推測されたRSLRに対する鉛直方向の適応の確率が、現代のin situでの測定値と整合することを示す。RSLRに対する潮汐湿地およびマングローブの適応には、RSLRが4 mm yr−1では不足が生じる可能性が高く、RSLRが7 mm yr−1では不足が生じる可能性が非常に高いことが示された。RSLRの速度が7 mm yr−1を超えると、海岸線の浸食と越波の増加によって礁島が不安定化する確率は高まる。地球温暖化が1.5°Cから2.0°Cに増大すると、2080~2100年には、4 mm yr−1のRSLRによって露出する地図上の潮汐湿地の面積は倍増すると考えられる。温暖化が3°Cになると、世界のマングローブ林とサンゴ礁島のほぼ全て、そして地図上の潮汐湿地の40%近くが、少なくとも7 mm yr−1のRSLRにさらされることになると推定される。パリ協定の目標を達成すれば、沿岸生態系の破壊は最小に抑えられると考えられる。

