Article

流体力学:心周期に着想を得た管内流の駆動による乱流抑制

Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06399-5

管や流路を通る流れは、実際にはほとんど常に乱流であり、マルチスケールの渦運動が、発生する摩擦損失やポンプ輸送費用の大半を占めている。逆に、脈動流、具体的には大動脈血流の場合には、ピーク速度が比較的大きいにもかかわらず、乱流レベルは低い状態を維持している。大動脈血流では、高い乱流レベルは、せん断感受性の内皮細胞層を傷つけることになるため、許容できない。今回我々は、心波形の重要な特徴を全て取り込んだ脈動モードで流れを駆動すれば、通常の管内流における乱流が減少することを示す。大動脈血流と同程度のレイノルズ数では、乱流はおおむね抑制される一方、はるかに高速では、乱流抗力が25%以上減少する。この特定の動作モードは、暖房回路から、水、ガス、石油のパイプラインまで、事実上全ての流体輸送過程の現状である定常駆動と比較すると、より効率的である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度