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ナノテクノロジー:吸着質モーターによる一方向性の並進移動と輸送
Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06384-y
人工分子モーターは、外部エネルギーを一方向運動の形で有用な仕事に変換するよう設計されている。人工分子モーターは、主に溶液中で研究されてきたが、固体表面でも研究されている。固体表面では、固定された基準点が得られるため、分子モーターの動きの追跡が可能になる。しかし、こうした分子は、モーター機能をその化学構造に組み込まなければならないため高度な設計や合成が必要であるとともに、溶液中と比較すると表面では機能性が低くなる。一方、DNAウォーカーは、モーター機能の一部として表面を含んでいるため高い方向性が得られるが、モーターの起動に化学的な表面パターニングや逐次的な溶媒調節が必要になる。今回我々は、液体を一切使わずに、均一な金属表面においてはるかに短い長さスケールで、効率的なモーターを動作させることができる方法を示す。この方法は、表面と、それ自体がいかなるモーターユニットも含まない単純な分子を組み合わせることによって実現された。この分子モーターの運動(単一分子レベルで追跡した)は、ポテンシャルエネルギー面の対応する調節を用いた分子内プロトン移動によって引き起こされる。各分子は、100%の一方向性で、原子レベルで定められた直線に沿って移動した。単一の一酸化炭素分子の輸送を制御することによって、今回の分子モーターが有意義な仕事をすることの証拠が示されている。今回の非常に単純な概念は、原子スケールでのナノ構造体のボトムアップ型組み立てを制御する基礎となる可能性がある。

