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物性物理学:Sr2RuO4において3D音響プラズモンとして観測されたパインズの悪魔
Nature 621, 7977 doi: 10.1038/s41586-023-06318-8
金属の特徴的な励起はそのプラズモンであり、これは、電子密度の量子化された集団振動である。1956年、David Pinesは、複数種の電荷キャリアを持つ三次元(3D)金属において特異なタイプのプラズモンが存在し得ると予言し、これを「悪魔(demon)」と名付けた。この「悪魔」は、異なるバンドにおける位相のずれた電子運動からなり、音響的で、電気的に中性であり、光と結合しないため、平衡状態の3D金属ではこれまで検出されなかった。それにもかかわらず、「悪魔」は、混合原子価半金属の相転移、金属ナノ粒子の光学特性、ワイル半金属におけるサウンダロン(soundaron)、高温超伝導(例えば金属水素化物におけるもの)などを含むさまざまな現象で極めて重要であると考えられている。今回我々は、運動量分解電子エネルギー損失分光法によって得られた、Sr2RuO4に「悪魔」が存在する証拠を提示する。この「悪魔」は、βバンドとγバンドの電子から形成され、ギャップレスであり、臨界運動量qc = 0.08逆格子単位と、室温速度v = (1.065 ± 0.12) × 105 m s−1を示し、30 Kまで冷却すると粒子–正孔連続体と結合するため31%の繰り込みを受ける。「悪魔」の強度の運動量依存性によって、これが中性であることが確認された。今回の研究は、67年前の予言を裏付けるとともに、「悪魔」がマルチバンド金属に広く存在する特徴である可能性を示している。

