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生化学:ウイルスのADP-リボシルトランスフェラーゼはRNA鎖を宿主タンパク質に付加する

Nature 620, 7976 doi: 10.1038/s41586-023-06429-2

ウイルスが感染細胞の遺伝的装置を乗っ取る機構が、現在、注目されている。T4バクテリオファージは、大腸菌(Escherichia coli)に感染する際、3つの異なるアデノシン二リン酸(ADP)-リボシルトランスフェラーゼ(ART)を用いて、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を基質に使ってADP-リボシル化することで、宿主の転写装置および翻訳装置を再プログラム化する。これまでに、NADは細胞RNAの5′修飾であることが分かっている。今回我々は、T4 ARTであるModBが、基質としてNADだけでなく、NADキャップされたRNA(NAD–RNA)も許容し、「RNA化(RNAylation)」反応でアクセプタータンパク質にRNA鎖全体を付加することを報告する。ModBは、リボソームタンパク質のrS1およびrL2の特定のArg残基を特異的にRNA化し、また、in vivoでは選択された大腸菌RNAとT4ファージRNAがrS1に結合する。不活性変異型のModBを発現するT4ファージでは、大腸菌のバーストサイズが低下し(大腸菌から放出されるウイルス粒子の数が減少し)、溶菌が遅くなった。我々の知見は、NAD–RNAの独特な生物学的役割、つまり酵素によりタンパク質へ転移させるためのRNA活性化を明らかにしている。特定のRNAをリボソームタンパク質へ付加することは、ファージが宿主の翻訳装置を調節するための戦略である可能性がある。この研究により、RNA修飾とタンパク質翻訳後修飾との間の直接的な結び付きが明らかになった。ARTはウイルス感染以外にも多くの重要な役割を担っているため、RNA化は広範囲にわたって関与している可能性がある。

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