Article
原子核物理学:28Oの初の観測
Nature 620, 7976 doi: 10.1038/s41586-023-06352-6
物理系を極端な条件下に置いて調べることは、そうした系の構成や構造に関する理解や知見を深めるためによく用いられる方法の1つである。原子核の場合のそうした方法の1つは、安定核とは大きく異なる中性子数/陽子数比(N/Z)を持つ同位体を調べることである。軽い中性子過剰同位体は、最も大きいN/Z比を示し、束縛限界を超えた所では自発的に中性子を放出する非常に短寿命の共鳴(約10−21 s)としてのみ存在する。そのような原子核によって、現代の核構造理論の最も厳しいテストが行える。今回我々は、24Oと4個の中性子への崩壊を通して28Oを、24Oと3個の中性子への崩壊を通して27Oを初めて観測したことを報告する。このうち28O核は、Z = 8とN = 20の魔法数を持つため、原子核構造の標準的な殻模型の描像における、比較的少数のいわゆる「二重魔法数」核の候補として特に興味深い。27Oと28Oは両方とも、小さい崩壊エネルギーを持つ狭い共鳴として存在することが見いだされた。それらの崩壊エネルギーが今回、大規模殻模型計算や新たに開発された統計的手法などの高度な理論計算の結果と比較されている。どちらの場合も、基礎となる核相互作用は、量子色力学の有効場理論から得られた。さらに、29Fビームから28Oを生成する断面積が、N = 20の閉殻構造が崩れていることと一致する結果が示された。

