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極低温原子:フェルミ–ハバードシミュレーターにおけるフラストレーションとドーピングに誘起される磁性
Nature 620, 7976 doi: 10.1038/s41586-023-06280-5
強相関系における幾何学的フラストレーションによって、量子スピン液体などの数多くの新たな秩序状態や興味深い磁性相が生じる可能性がある。そうした相に有望な候補物質は、強相関と磁気フラストレーションの相互作用を捉える典型的なモデルである、異方性三角格子上のハバード模型で記述できる。しかし、遍歴ドーパントが存在する場合のフラストレーション磁性の行く末は、正方格子ハバード模型のドープ相とのつながりと共に、まだよく分かっていない。今回我々は、正方形配置から三角形配置に連続的に調整できる異方性光格子中の極低温フェルミオンを用いて、制御可能なフラストレーションとドーピングを含むハバード模型の局所スピン秩序を調べた。我々は、半充填と強い相互作用U/t ≈ 9において、フラストレーションがどのように磁気相関の距離を狭め、コリニア状態のネール反強磁性体から、短距離相関した120°スパイラル相への転移を生じさせるかを、単一サイトレベルで観測した。その結果、半充填から遠い場合、三角極限では、ホールをドープした側で反強磁性相関が増強され、20%以上の粒子ドーピングで強磁性相関に反転することが示され、フラストレートした系での運動論的磁性の役割が示唆された。今回の成果は、三角格子におけるキラル秩序相や超伝導相の可能性を調べ、銅酸化物材料における超伝導の記述に不可欠な可能性があるt–t′正方格子ハバード模型を理解する道を開く。

