Article

エネルギー科学:3D/3D 2層ペロブスカイトヘテロ接合を用いた全ペロブスカイトタンデム太陽電池

Nature 620, 7976 doi: 10.1038/s41586-023-06278-z

全ペロブスカイトタンデム太陽電池は、低い製造コストを維持しつつ、単接合ペロブスカイト太陽電池(PSC)よりも高い電力変換効率(PCE)を実現すると期待されている。しかし、全ペロブスカイトタンデム太陽電池の性能は、主にペロブスカイト膜表面の高いトラップ密度に起因して、混合鉛–スズ(Pb–Sn)狭バンドギャップ(NBG)ペロブスカイトサブセルの性能が標準を下回るため、まだ大きく制限されている。相互混合2D/3Dペロブスカイトを用いたヘテロ接合は、表面再結合を低減させる可能性があるものの、この一般的な戦略は輸送損失を誘発するため、デバイスの曲線因子(FF)を制限する。今回我々は、Pb–Snペロブスカイト–電子輸送層(ETL)界面においてII型バンド構造を有する、非混和性3D/3D 2層ペロブスカイトヘテロ接合(PHJ)を開発することで、界面での非放射再結合を抑制し、電荷抽出を促進した。2層PHJは、ハイブリッド蒸発・溶液プロセス法を通して、混合Pb–Sn NBGペロブスカイト上に広バンドギャップ(WBG)ハロゲン化鉛ペロブスカイト層を堆積させることによって形成された。このヘテロ構造によって、厚さ1.2 μmの吸収体を有するPb–Sn PSCのPCEが23.8%まで向上するとともに、0.873 Vという高い開回路電圧(Voc)と82.6%という高いFFが得られた。これによって我々は、全ペロブスカイトタンデム太陽電池において、28.5%(認証28.0%)という過去最高のPCEを実証している。封止されたタンデムデバイスは、1 sunの疑似太陽光照射下で600時間連続動作させた後、初期性能の90%以上を維持した。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度