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環境科学:全球の砂鉱採掘の増加による熱帯河川における堆積物負荷の増大
Nature 620, 7975 doi: 10.1038/s41586-023-06309-9
全球の熱帯の河川における金や鉱物の採掘活動の増加によって、生態系が劣化し、人間の健康が脅かされている。河川でのそうした鉱物採掘は、河川回廊における集中的な掘削と堆積物の処理を伴い、河川の形状を変えるとともに過剰な堆積物を下流に放出している。懸濁堆積物の負荷の増加によって、水の透明度が低下し、魚類の病気や死、水質の低下、人間のインフラに対する損害をもたらす可能性があるレベルの堆泥が生じる場合がある。河川での採掘は地域的な規模で調べられてきたが、その物理的なフットプリントと水文システムに対する影響を全球的に統合したことはなく、環境への完全な影響は分からないままとなっている。今回我々は、世界中に広がり増加する河川の鉱物採掘を示す、37年間の人工衛星のデータベースを集めて解析した。その結果、49カ国において396の採掘地域が特定され、それらが、採掘に由来する堆積物によってほぼ例外なく改変された熱帯の水路に集中していることが明らかになった。採掘の影響を受けた173本の河川のうち、80%は懸濁堆積物濃度(SSC)が採掘以前のレベルの2倍以上になっていた。採掘が大規模河川(幅が50 mを超える)に影響を及ぼしている30カ国では、大規模河川の長さの23 ± 19%が採掘由来の堆積物によって改変されており、全球にわたる影響は河川距離にして3万5000 kmに及び、全ての大規模熱帯河川の長さの6%(標準誤差±1%)に相当する。今回の知見は、熱帯河川系における採掘に伴う劣化の普遍性と激しさを浮き彫りにしている。

