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物性物理学:ツイストグラファイト薄膜の混合次元モアレ系
Nature 620, 7975 doi: 10.1038/s41586-023-06290-3
原子レベルの薄さのファンデルワールス結晶を相対的なねじれ角で積層することによって形成されるモアレパターンは、注目すべき新しい物性を生み出し得る。今のところモアレ材料の研究は、単一の二次元界面に局在するモアレパターンでは一般に、バルク三次元結晶の特性を大きく変えることはできないと想定されているため、わずか数枚のファンデルワールスシートからなる構造に限られている。今回我々は、薄いバルクのグラファイト結晶の上で単層グラフェンシートをわずかに回転させることによって構築した、デュアルゲートデバイスの輸送測定を行った。その結果、モアレポテンシャルが、バルクのグラファイト薄膜全体の電子的特性を大きく変化させることが見いだされた。ゼロ磁場および低磁場では、輸送は、共存してはいるがゲート動作には応答しない半金属的バルク状態のみならず、ゲートによって調整可能なモアレ状態とグラファイト表面状態の組み合わせによって媒介される。高磁場では、グラファイトの2本の最低ランダウバンドが示す特有の性質に起因して、モアレポテンシャルとグラファイトのバルク状態が混成する。これらのランダウバンドは、モアレ状態とグラファイトのバルク状態が混合して分離できない単一の準二次元混成構造の形成を促進する。今回の結果によって、ツイストグラフェン–グラファイトが、新種の混合次元モアレ材料の初めての例として確立された。

