惑星科学:岩石質の系外惑星TRAPPIST-1 cに二酸化炭素の厚い大気は存在しない
Nature 620, 7975 doi: 10.1038/s41586-023-06232-z
近傍の矮星TRAPPIST-1(トラピスト-1)を7個の岩石惑星が周回しており、太陽系外の小さな惑星にある大気を探査するまたとない機会を提供している。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の最近の打ち上げによって、二酸化炭素(CO2)などの、予想される大気の構成成分が今や検出可能になっている。最も内側の惑星TRAPPIST-1 bに関するJWSTによる最近の観測では、この惑星が、大気中にCO2を伴わないむき出しの岩石である可能性が最も高いことが示された。本論文で我々は、JWSTに搭載された中赤外観測機器(MIRI)を用いた、15 μmでのTRAPPIST-1 cの昼側からの熱放射の検出結果について報告する。我々は、星に対する惑星のフラックス比(fp/f*)を421 ± 94 ppmと計測しており、これは380 ± 31 Kという昼側の推定輝度温度に一致する。昼側のこの高い温度は、この惑星のCO2に富む厚い大気を支持しない。このデータは、表面圧力が10 bar(10 ppmのCO2)から0.1 bar(純粋なCO2)の範囲にある、雲のないO2/CO2の混合大気を除外する。硫酸の雲を持つ金星に似た大気も、2.6σの信頼水準で支持されない。より薄い大気やむき出しの岩石表面は、今回計測した、星に対する惑星のフラックス比と矛盾しない。TRAPPIST-1 cにCO2に富む厚い大気が存在しないことは、水の量が地球の海洋の9.5+7.5−2.3倍未満という、揮発成分が比較的乏しい形成史を示唆している。この系の全ての惑星が同じように形成されたのであれば、これは、生命が居住できる可能性がある系内の惑星には揮発性物質のリザーバーが限られていることを示している。

