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アレルギー:食物アレルゲンの免疫感知が回避行動を促進する

Nature 620, 7974 doi: 10.1038/s41586-023-06362-4

免疫系は、病原体から宿主を守るカノニカルな働きの他にも、行動を変化させることもできる。しかし、免疫系による行動変容の範囲や機構は、まだ詳しく解明されていない。今回我々は、食物アレルギーのマウスモデルを用いて、アレルギー感作が抗原特異的な回避行動を引き起こすことを示す。アレルゲンを経口摂取すると、孤束核、結合腕傍核、扁桃体中心核などの、嫌悪刺激に対する応答に関わる脳領域が活性化される。アレルゲン回避には免疫グロブリンE(IgE)抗体とマスト細胞が必要だが、アレルゲン回避は腸のアレルギー性炎症の発生よりも前に起こる。アレルゲン特異的なIgEとマスト細胞が回避を促進する能力には、システイニルロイコトリエンとGDF15(growth and differentiation factor 15)が必要である。さらに、C57BL/6マウス系統とBALB/cマウス系統の比較から、遺伝的背景が回避行動に強力な影響を及ぼすことが明らかになった。従って、これらの知見は、抗原特異的な行動変容を示唆しており、これらはニッチの選択を促進して好ましくない環境を避けるために進化したと考えられる。

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