古生物学:恐竜類と翼竜類が多様な祖先動物から進化したことを示す新種の爬虫類
Nature 620, 7974 doi: 10.1038/s41586-023-06359-z
恐竜類と翼竜類は、中生代の大半を通じて驚くべき多様性と差異を有していた。これらの爬虫類は、出現から間もなく多様化して、長く存続することになる複数の系統を生み出し、前例のない生態(例えば、飛行や、植食性の大型形態)を進化させ、パンゲア超大陸全域に広がった。最近の、恐竜類や翼竜類の祖先に当たる動物の発見によって、それらの祖先動物もまた種数が多くて広く分布していたことが示されたが、そうした標本には、保存状態が良好な頭蓋骨や手、関連した骨格がほとんど含まれておらず、あったとしてもごくわずかであった。本論文で我々は、そうした祖先動物の1種の頭蓋骨および生態に関してより総合的な調査を可能にする、ブラジルで発見された後期三畳紀のラゲルペトン類の新属新種Venetoraptor gassenaeの、保存状態が良好な部分骨格について報告する。その頭蓋骨には猛禽類のものに似た鋭いくちばしがあり、これは恐竜類におけるくちばしの記録を約8000万年さかのぼるもので、長く鋭いかぎ爪のある大きな手は、こうした祖先系統における絶対的な四足歩行の喪失を確実に裏付けている。この新種の解剖学的情報を恐竜類や翼竜類の他の祖先動物のものと組み合わせたところ、これらの祖先動物における形態的な差異は三畳紀の翼竜類のものに近く、三畳紀の恐竜類のものを上回っていたことが分かった。このように、翼竜類と恐竜類の「成功」は、生態形態学的な変動のより大きなプールの中で起こった異なる生存の結果であった。今回の結果は、鳥頸類の形態的多様性は、初期に分岐した系統の間で広がり始めたのであって、恐竜類や翼竜類の出現後のみではなかったことを示している。

