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大気科学:過冷却水滴の凍結時の微細構造と結晶秩序

Nature 620, 7974 doi: 10.1038/s41586-023-06283-2

過冷却水滴は、過冷却水、氷核形成、液滴凍結の研究に広く用いられている。大気中での過冷却水滴の凍結は、雲のダイナミクスや気候フィードバックに影響を及ぼすとともに、二次氷晶生成を通して雲の氷結を加速し得る。液滴凍結は、いくつかの時間スケールと長さスケールで起こり、十分確率的なので2つの凍結液滴が同一となる可能性は低くなる。今回我々は、光学顕微鏡法とX線レーザー回折を用いて、約234~235 Kでの均一氷核形成後、真空中で数万個の微小水滴の凍結を調べた。我々は、液滴の画像を基に、7段階の凍結モデルを開発し、それを用いて回折データの時間を決定した。氷結晶による回折は、凍結後1 ms以内に長距離結晶秩序が形成されたことを示していたが、残りの液体による回折は、前融解した氷の表面の疑似液体層による回折と同等になった。氷は、凍結直後はひずんだ六方晶結晶構造をとっていた。これはおそらく、積層欠陥を伴う氷の形成に先行する、初期準安定状態である。今回報告した手法は、雲における水滴凍結などの他の条件における凍結ダイナミクスの決定や、他の物質における急速固化の理解に役立つ可能性がある。

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