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量子物理学:量子気体中の波動乱流に関する普遍状態方程式
Nature 620, 7974 doi: 10.1038/s41586-023-06240-z
1662年のボイルによる、一定の温度では気体の体積が圧力に反比例するという観測結果から、状態方程式(EoS)が多粒子系の基本特性をいかに簡潔に捉えることができるかの典型例が得られた。今ではこのような関係は、平衡熱力学の基礎となっている。熱力学的概念を平衡から大きく外れた系に拡張することは、ガラス、アクティブマター、乱流などさまざまな状況において非常に重要であるが、一般的には未解決の問題である。今回我々は、均一な極低温原子ボース気体を使用して、物質波の乱流カスケードに関するEoSを実験的に構築した。この気体は、大きな長さスケールでの連続的な強制力と小さな長さスケールでの散逸の下で、スケール不変の運動量空間エネルギー束によって維持されるべき乗則運動量分布によって特徴付けられる、非熱的だが定常的な状態を示す。我々は、エネルギーの注入や散逸の細部に依存しないEoSか、系の履歴に依存しないEoSによって関連付けられる平衡に類似した状態変数として、運動量分布の振幅とその根底にあるエネルギー束を確立している。さらに、広範囲の相互作用の強さと気体密度に関する状態方程式が、経験的に互いにスケーリングされ得ることを示している。今回の結果は、理論のベンチマークとなる普遍的な無次元EoSをもたらすとともに、他の乱流系にも関連しているはずである。

