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老化:cGAS–STINGは加齢関連の炎症および神経変性を駆動する
Nature 620, 7973 doi: 10.1038/s41586-023-06373-1
軽度の炎症は老齢期の特徴であり、加齢関連の障害や疾患の中心的な駆動因子である。加齢関連の炎症には複数の要因が関与している可能性があるが、異常な炎症性シグナル伝達を伝える分子経路、およびそうした経路が自然な老化に及ぼす影響はいまだ明らかではない。今回我々は、DNAの免疫感知を仲介するcGAS–STINGシグナル伝達経路が、加齢における慢性炎症と機能低下の重要な駆動因子であることを示す。STINGを阻害すると、ヒトの老化細胞や老化組織の炎症表現型が抑制され、マウスの複数の末梢器官や脳で加齢関連の炎症が減弱し、組織機能の改善につながった。我々は、加齢脳に焦点を合わせ、STINGの活性化が反応性ミクログリアの転写状態、神経変性、認知機能の低下を引き起こすことを明らかにする。加齢ミクログリアでは、摂動されたミトコンドリアから放出される細胞質ゾルDNAがcGAS活性を誘導することから、加齢脳でcGAS–STINGシグナル伝達が関与する機構が明らかになった。cGAS機能獲得マウスモデルのミクログリアおよび海馬の単一核RNA塩基配列解読解析から、ミクログリアにおけるcGASの関与のみで、ミクログリアの加齢関連転写状態を誘導するのに十分であり、これがバイスタンダー細胞の炎症、神経毒性、記憶力の低下につながることが実証された。我々の知見は、cGAS–STING経路が末梢器官および脳で加齢関連の炎症を駆動する因子であることを証明し、cGAS–STINGシグナル伝達の阻害が老齢期の神経変性過程を食い止める戦略候補であることを明らかにしている。

