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がん:治療によって誘導されるAPOBEC3Aは持続生残がん細胞の進化を促す

Nature 620, 7973 doi: 10.1038/s41586-023-06303-1

がんの分子標的治療に対する獲得耐性は、依然として未解決の臨床課題である。薬剤耐性の原因となるドライバーは多数見つかっているが、治療中に腫瘍の進化を促す基礎となる分子機構についての理解は不完全である。患者の腫瘍ゲノムプロファイリングでは、シチジンデアミナーゼであるAPOBEC(apolipoprotein B messenger RNA editing catalytic polypeptide-like)が腫瘍の進化に関与することが示唆されているが、治療中や薬剤耐性の発生におけるAPOBECの役割は、明らかにされていない。今回我々は、臨床で一般的に行われている肺がん分子標的治療が、シチジンデアミナーゼAPOBEC3A(A3A)を誘導し、治療中に生残する薬物耐性がん細胞における持続的な変異誘発の原因となる可能性があることを報告する。治療によって誘導されたA3Aは、二本鎖DNA切断の形成を促進し、薬剤耐性持続生残細胞におけるゲノム不安定性を増加させる。A3Aを欠失させると、生残細胞におけるAPOBEC変異と構造変化が減少し、薬剤耐性の発生が遅延する。APOBECの変異シグネチャーは、分子標的療法に対する長期奏効後に進行した肺がん患者の腫瘍で豊富に見られた。本研究は、分子標的療法によるA3Aの誘導が、薬剤耐性持続生残細胞の進化を促すことを示しており、これは、A3Aの発現や活性の抑制が、肺がん分子標的療法に対する耐性獲得の予防や遅延における有望な治療戦略となる可能性を示唆している。

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